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T.使用済みリチウム電池からのリチウム資源回収技術
脱炭素社会が志望され、自動車の電動化、ドローンやロボットの活用、および再生可能エネルギーのさらなる普及の必要性が議論されている。また、将来の世界の基幹エネルギーとしては熱核融合炉発電が期待されている。これらのエネルギー変換システムを普及・実現するには、リチウム資源が大きな役割を担う。リチウム資源の安価かつ安定な供給は大きな課題となる。また、欧州への電気自動車等の輸出にはリチウムリサイクルが義務付けられることとなる。
本講演では、このようなエネルギー社会を持続可能にする上でのリチウム資源の重要性を総括したうえで、リチウム資源回収技術の例を紹介し、課題を整理する。
1.リチウム資源の概要
2.リチウム資源供給の現状と将来見通し
3.リチウム資源採取/回収技術
4.使用済みリチウムイオン電池からの資源回収の課題
5.電気透析によるリチウム資源採取/回収
6.まとめ
7.質疑応答・名刺交換
(佐々木 氏)
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U.リチウムイオン電池正極材の水熱酸浸出・金属単離技術と資源共生圏構築の試み
リチウムイオン電池正極材のリサイクルにおいて、乾式製錬、湿式製錬、直接再利用の3つの方法が提案されている。いずれも、酸浸出を用いた金属回収と、それにより回収される水溶液を出発原料とする金属単離プロセスとの連結が欠かせない。グリーンケミストリーの観点から、使用する酸性物質の持続可能性やその濃度低減、使用薬剤そのものの低減、安全性向上など、酸浸出ならびに金属単離プロセスの刷新が求められる。
本講演では、水熱プロセスの優位性を説明すると共に、水熱酸浸出とそれに関連した金属単離技術に関連して実施した検討事例と地域のLIB資源を循環利用するための共生圏構築の試みを紹介する。
1.水熱技術の概要
2.酸浸出・湿式製錬の既往の研究
3.水熱酸浸出プロセスのメカニズム解明と連続化検討
4.金属単離手法の検討事例
5.LIB資源循環のための資源共生圏構築に関する検討事例
6.まとめ
7.質疑応答
(渡邉 氏)
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V.水解用バイポーラー膜ならび1価陽イオン選択性バイポーラー膜を用いる
電気透析法によるリチウムイオンとコバルトイオンの分離ならびに硝酸の再生
〜LIBリサイクルプロセスへの適用性に関する検討〜
リチウムイオン電池に関するリサイクルを考える場合、固体材料から製錬操作を経て有用物質の分離回収を行うことが検討される。一般に、湿式製錬操作後に有用物質を分離する場合、溶媒抽出法、イオン交換法、沈澱法などの単位操作が主に利用されるが、それぞれの操作には特徴があることから、現実的には様々な単位操作の組み合わせで分離を行うことが多い。
本講演では、単位操作の一つとしてイオン交換膜電気透析法に着目し、一般的なイオンの透過特性を示すイオン交換膜の他、特異的なイオンの膜透過特性を示す1価イオン選択性バイポーラー膜、さらには電解質水溶液から酸、アルカリを生成することが可能となる水解用バイポーラー膜を用いた電気透析装置を製作し、種々の条件下でリチウムイオンとコバルトイオンの分離、さらには浸出に用いた酸溶液の再生を同時に行った結果について紹介を行う。また、あわせて、筆者らが新規に開発した晶析法によるリチウムとコバルトの分離を行った例を紹介すると共に、電気透析法との組み合わせの可能性についても解説を行う。
1.イオン交換法の概略ならびに種々のイオン交換膜における
イオンの膜透過特性に関する解説
2.モノポーラーおよびバイポーラー型イオン交換膜を用いる
電気透析法に関する解説
3.種々のイオン交換膜を組み合わせた電気透析法による
リチウムイオンとコバルトイオンの分離例の紹介
4.電気透析法によるリチウムイオンとコバルトイオンの分離
ならびに硝酸の同時再生に関する研究例の紹介
5.新規晶析技術によるリチウムとコバルトの分離技術の紹介、
ならびに電気透析技術との組み合わせに関する検討
6.まとめ
7.質疑応答・名刺交換
(橋 氏)
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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