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T.水熱プロセスによるリチウムイオン電池循環利用に関する検討
リチウムイオン電池の正極材の循環利用として、乾式製錬、湿式製錬、直接再利用の3つの方法が提案されている。いずれも、酸浸出を用いた金属回収と、それを用いた再生正極材としての合成の可能性の検証が欠かせない。また、負極材としての炭素材料は循環利用の可能性に加え、循環資源であるバイオマスからの炭素材料合成手法の検討も重要となる。これらに対応できる技術であり、グリーンケミカルプロセスでもある水熱プロセスが注目されている。水熱技術は、使用する酸性物質の濃度や使用薬剤の種類も低減でき、閉鎖系技術でもあることから、安全性も向上できる。 本講演では、水熱プロセスの優位性を説明すると共に、水熱酸浸出や水熱材料合成に関連して実施した検討事例を紹介する。
1.水熱技術の概要
2.酸浸出・湿式製錬の既往の研究
3.水熱酸浸出プロセスのメカニズム解明と連続化検討
4.金属単離・再生手法の検討
5.水熱炭化を起点としたバイオマスの負極材料への転換
6.循環・再生リチウムイオン電池の可能性評価
7.まとめ
8.質疑応答・名刺交換
(渡邉 氏)
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11:30 | 12:45
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U.リチウムイオン電池の焼成粉末からのリチウム回収および
キレートイオン交換樹脂によるレアメタルの分離技術
電気自動車の著しい普及に伴いリチウムイオン電池(LIB)の需要が急速に伸びている。LIBにはLi, Ni, Co, Mnのレアメタルが多量に使用されており、資源不足や価格高騰が懸念されているため資源確保が重要な課題となる。 本講演では、使用済みLIBを焼成処理して得られる「ブラックサンド」からLiを回収し、さらにはキレートイオン交換樹脂を用いてレアメタルを分離・回収する新規技術など、これまで得られた成果について紹介する。
1.廃車載用リチウムイオン電池の資源評価
2.ブラックサンドからのリチウム回収
3.イオン交換樹脂によるニッケル、コバルト等の分離
4.イオン交換プロセス
5.質疑応答・名刺交換
(青野 氏)
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14:00 | 15:15
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V.環境に配慮したリチウムイオン電池からのレアメタルリサイクル技術
EVの急速な広がりによって、リチウムイオン二次電池(LIB)を構成するレアメタルの安定な確保が重要な課題となっている。そのため、現在LIBのリサイクル技術に注目が集まっている。特に、LIBの構成部品である陽極は、コバルトやニッケル等のレアメタル酸化物が使用されており、持続的な資源サイクルのために、高効率かつ環境調和型のレアメタル分離回収技術の確立が急務である。現在の湿式法においては、無機酸の使用による酸廃液の発生や有機溶媒の利用による環境負荷が懸念されており、より環境に優しいリサイクル技術が強く求められている。 本発表では、有害な無機酸や有機溶媒の代替として、深共晶溶媒(DES)などの環境に優しい溶媒を用いたSDGsに配慮した新しいLIB陽極材のリサイクルプロセスを紹介する。
1.溶媒抽出法とは
2.有機溶剤に代わる環境調和型溶剤
3.深共晶溶媒(DES)とは
4.酸や有機溶媒を使用しないリサイクル技術
5.抽出溶剤からのLiおよびCoの回収効率
6.質疑応答・名刺交換
(後藤 氏)
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W.湿式法を用いたリチウム二次電池からの資源回収技術(オンライン)
現在、LIBの製造に利用される原料を天然資源ではなく、廃製品からの回収資源の利用量の増大が叫ばれ、将来的には天然資源に依存しないプロセスの構築が義務付けられようとしている。一方でいまだ十分な資源回収を実現できる技術が揃っているとは言えない状況である。このような課題に応えることのできる技術として、本講演では講師が開発を進める湿式法を中心に、取り巻く状況と共に説明を行う。
1.LIB正極からの資源回収技術
2.ブラックマスからの資源回収
3.質疑応答
(笹井 氏)
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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