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T.CO2-メタネーション技術の2023年度開発状況と事業化展望、課題
CO2-メタネーションによる合成メタン(e-methane)は、カーボンリサイクルに資するだけでなく、天然ガスや都市ガスの既存インフラ全てにおいて、追加・変更無く低炭素化が可能であることが最大の利点である。INPEXでは2016年度から、NEDO事業としてe-methaneを生産するCO2-メタネーション技術の可能性調査や基盤技術開発を実施している。2021年度からは世界最大級となる400 Nm3-CO2/hのNEDO-実用化技術開発事業を実施しており、今夏から試験設備の据付け作業を進めている。本講演ではINPEXの2050ネットゼロへの取組みや、最新の試験設備の建設状況に加え、2023年度の開発状況等について概説する。
1.INPEXの2050ネットゼロへの取組み
(1)INPEX Vision@2022について
(2)ネットゼロ5分野の2030/2050頃に目指す姿について
(3)CO2-メタネーションの位置付け
2.CO2-メタネーションに係る政策動向
(1)METI-メタネーション推進官民協議会おける議論について
(2)METI-ガス事業制度検討WGにおける議論について
(3)MOEJ-SHK制度算定方法検討会における議論について
3.CO2-メタネーションの課題
(1)平衡反応のジレンマについて
(2)最適反応器と規模について
(3)コスト及びLCA試算について
4.400 Nm3-CO2/hのNEDO-実用化技術開発事業における2023年度の開発状況
(1)事業概要について
(2)反応シミュレーション技術開発について
(3)反応プロセス技術開発について
(4)スケールアップ等適用性検討について
5.今後の事業化展望、課題
6.質疑応答・名刺交換
(若山 氏)
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11:30 | 12:30
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U.東京ガスのカーボンニュートラルに向けた取り組みとe-methaneの社会実装
2050年ネットゼロ達成に向けて、熱需要の脱炭素化が重要である。e-methaneは水素キャリアとして既存のインフラをそのまま活用して熱分野の脱炭素化に効果的であり、同時に追加のインフラ投資コストを抑制できる。東京ガスでは、2030年都市ガス1%相当のe-methane導入に向けて、国内の小規模実証を進めるとともに、海外サプライチェーン構築の取り組みを推進している。更にはGI基金を活用し、サバチエメタネーションに代わる、ハイブリッドサバチエとPEMCO2還元という2つの革新的なメタネーション技術の開発も進めている。本講演ではe-methane実現に向けた東京ガスの取り組みを紹介する。
1.2050年カーボンニュートラルに向けた東京ガスの取り組み
2.メタネーション/e-methaneの意義と社会実装に向けたロードマップ
(1)e-methane活用の意義
(2)e-methane社会実装に向けたロードマップ
3.国内メタネーション実証の取り組み
4.海外サプライチェーン構築に向けた取り組み
5.革新的メタネーション技術開発
6.まとめ
7.質疑応答・名刺交換
(高橋 氏)
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13:30 | 14:20
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V.e-methaneの炭素集約度に関する検討結果
「水素社会推進法」が成立し、今後低炭素水素等の供給・利用事業者に対して、GX経済移行債などの支援が実施されることになる。低炭素水素等の要件の一つとして、炭素集約度が基準値以下であることが求められており、CCR研究会において、e-methaneの炭素集約度の基準値の検討を行い、第12回メタネーション推進官民協議会で報告をしたので、その内容について概説する。
1.ガス業界におけるカーボンニュートラルチャレンジ
2.炭素集約度とは
3.国内外の炭素集約度の検討状況
4.CCR研究会における炭素集約度の検討結果
(1)算定範囲
(2)CO2のカウント
(3)サプライチェーンごとの炭素集約度
5.今後の展望
6.まとめ
7.質疑応答・名刺交換
(藤木 氏)
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14:35 | 15:25
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W.CO2-メタネーションへのシミュレーションの適用可能性
CO2-メタネーションなどのカーボンニュートラルプロセスは世界的に商用化に向けた開発や社会実装が進められている。プロセス設計においては、商用化されていないためにシミュレーションによる検討が不可避である。しかしながら、汎用プロセスシミュレーターには表現できる限界がある。そこで、汎用プロセスシミュレーターの使用範囲を見極め、CCUSの上流部分までの適用事例について概説する。一方で、汎用シミュレーターを使用できない部分については自前でシミュレーションを構築する方法(python を用いた反応器挙動のシミュレーションなど)について紹介する。
1.カーボンニュートラルの反応
(1)カーボンニュートラルに向けた反応
(2)各反応の特徴とその共通点
(3)メタネーション反応の課題
2.CCUSへの汎用シミュレーションソフトの適用性
(1)適用可能性範囲について
(2)アミン溶液などの電解質モデルのシミュレーションについて
(3)CO2輸送部での配管内の流体挙動および腐食性について
3.メタネーション反応器の型式と等温反応器の設計方法
(1)反応器の型式の紹介とその特徴
(2)等温反応器の設計方法
(3)設計の留意点
4.結論・および今後の展開性
5.質疑応答・名刺交換
(藥師寺 氏)
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15:40 | 16:40
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X.CO2メタネーション技術によるカーボンリサイクルの取組
カーボンニュートラル社会への移行に向けて、化石資源にかわりCO2を炭素源と捉え有価物として再利用するカーボンリサイクル技術の確立・実装が求められている。触媒を使ってCO2を燃料や化学原料などの有価物に転換するカーボンリサイクル技術についてその原理と特徴を述べる。本講演では、CO2メタネーション技術によるe-methaneの製造技術開発と事業展開について紹介する。
1.IHIのカーボンニュートラル社会への移行に向けた取組
2.カーボンリサイクル技術の原理と特徴
3.IHIにおけるCO2メタネーション技術開発の取組
4.IHIにおけるCO2メタネーション事業展開の動向
5.今後に向けた課題と展望
6.質疑応答・名刺交換
(山本 氏)
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16:55 | 17:55
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Y.革新的メタネーション技術で拓く産業排出CO2のe-メタン化、合成ガス化、固体C化
産業プロセスから排出されるCO2を、分離・濃縮することなくそのまま高速で大量にe-メタンに変換する技術を紹介します。また、製造したeメタンを合成ガスに変換する技術や、固体炭素として固定化して排出CO2を機能性材料に変換する技術についても紹介します。
1.メタネーションの課題点
2.CO2を高速で大量にe-メタン化する技術
3.CO2を合成ガスに変換する技術
4.CO2を固体炭素に固定化する技術
5.質疑応答・名刺交換
(福原 氏)
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− 名 刺 交 換 な ど −
セミナー終了後、ご希望の方はお残りいただき、 講師とご受講者間での名刺交換ならびに講師へ個別質問をお受けいたします。
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